MLAP

ダイオキシンなどによる環境汚染は、私たちの生活において深刻な問題。

しかし、ごくわずかなダイオキシンなどの濃度を正確に測ることはたいへん難しい。

こうした物質をより正確に測るために、平成13年6月に計量法が改正され、特定計量証明事業者認定制度 (MLAP; Specified Measurement Laboratory Accreditation Program)が導入された。

 

環境中に極微量存在するダイオキシン類等の測定析は、非常に複雑な工程により実施されるため、厳しい精度管理と高い技術的能力が求められています。これまでも、同様な試料でありながら測定機関の間で測定値の違いがあるなど、計量証明事業を行っている機関は、測定の信頼性をより向上させる必要があります。公害問題として取り上げられてきたこれまでの汚染物質の分析では、ppm106レベルからppb109レベルの濃度の測定であったものが、ダイオキシン類等の分析ではさらに低い濃度レベルまで要求されます。このため、平成136月に改正され144月に施行された計量法では、ダイオキシン類等の計量証明に対応した認定制度が導入されました。この制度は、計量証明事業の工程管理が適切に行われていることを、第三者が確認し認定するものです。なお、この法改正では上記認定制度の導入の他、新たな計量の単位としてppt(一兆分の一の濃度1012ppq(千兆分の一の濃度1015などが追加されました。

 

この制度は、ダイオキシ類等極微量物質の計量証明の信頼性向上と確保を図るため、計量法の改正によって導入されました特定計量証明事業者認定制度MLAPSpecified Measurement LaboratoryAccreditation Programによ計量証明を行なう者は、NITE又は指定認定機関に認定の申請を行い、認定を受ける必要があります。この認定を受けた上で都道府県に登録を行った事業者だけが、ダイオキシン類等につい計量証明事業を行うことができます。図にMLPの申請から認定に至る概要を示します。また、表に申請に必要な書類を示します。図及び表は「特定計量証明事業者認定制度MLAP認定申請等の手引き(第1版)H14.3.20NITEから引用しました。認定申請には下表に示す書類の正本1通と副本3を提出し、政令で定められた申請手数料を銀行振込します。

JIS K 0311(2008)

JIS K 0312 (2008)

認定の有効期間は3年間。3年ごとに認定を更新。認定が失効すると、都道府県での登録取消しの対象になります。

 

(認定の区分)
次の事業の区分が設けられています。

  1. 1.大気中のダイオキシン類の濃度の計量証明の事業
  2. 2.水中又は土壌中のダイオキシン類の濃度の計量証明の事業
  3. 3.その他

平成11年に公布された、ダイオキシン類対策特別措置法において、ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(PCDDs)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)及びコプラナーポリ塩化ビフェニル(コプラナーPCB)を「ダイオキシン類」と定義されています。
化学構造の例を下の図1に示します。2つのベンゼン環の数字の位置にある水素原子のいくつかが塩素に置換した化合物がダイオキシン類です。

 

ダイオキシン類は、塩素の置換の仕方によって、PCDDsが75種類、PCDFsが135種類、コプラナーPCBsが十数種類のパターンの数があります。このうち、毒性があるとされているものは29種類です。
中でもPCDDsのうち2,3,7,8(図2)の位置に塩素が付いた化合物(2,3,7,8-TeCDD)が、ダイオキシン類の中で最も毒性が強い化合物の一つとされています。

 

 

【急性毒性】

ダイオキシン類は人工的に作られた物質の中でも強い毒性を持っています。高濃度の2,3,7,8-TeCDDを投与した動物実験の結果では、動物の種類によって違いはあるものの、サリンの約2倍、青酸カリの約1000倍の毒性があることがわかっています(急性毒性)。しかし、私たちの日常生活では、これほどのダイオキシン類を摂取することは考えられません。

【慢性毒性】

動物による慢性毒性実験では、発ガン性、胸腺萎縮、肝臓代謝障害、心筋障害、性ホルモンや甲状腺ホルモン代謝への影響、さらに学習能力の低下などの症状が報告されています。 アカゲザルによる実験では、子宮内膜症、流産や早産が報告されています。さらに雄の生殖機能への影響として、精巣機能の減退、精巣の萎縮、精子数の減少が報告されています。しかし、現在の我が国の通常の環境汚染レベルでは、ダイオキシン類により異常が生じることはないと考えられます。

【発ガン性】

人に対する発がん性については、WHO(世界保健機構)の IARC(国際がん研究機関)では、2,3,7,8-TeCDDについては人に対する発ガン性があるという評価を行っています。 なお、ダイオキシン類自体が直接遺伝子に作用して発がんを引き起こすのではなく、他の発がん物質による発がん作用を促進する作用であるとされています。

 

我が国におけるダイオキシン類の平均的な環境中での濃度は、大気中では0.18pg/m3(平成11年度)公共用用水域では0.24pg/l(平成11年度)土壌中では約6.5pg/g(平成10年度)です。ダイオキシン類についてはダイオキシン類対策特別措置法に基づき、大気、水質(水底の底質を含む)と土壌の汚染の状況が地方公共団体によって監視されることとなっています。

 

認定の申請中に有効期限が終了した場合、事業の継続はできません。
認定の更新は、審査の標準処理期間は100日程度ですが、書類審査の質問に対する回答や是正報告の期間等を含めると実際には延べ140~180日(5ヶ月弱~6ヶ月)程度要することがあり得ます。このことを前提に、有効期限の6ヶ月前から更新申請をすることができることになっていますので十分な時間的余裕を持って申請をして下さい。

 

 

 

 

 

10/192)認定基準第2項関係事 項 基 準 運用・解釈一 施設 一 計量証明事業を適正に行うに必要 1.「施設」は、計量証明事業を適正にな施設を保有していること。 行うため、分析工程、試料の形態や濃度に配慮した施設であること。例えば、試料の保管、調製、前処理など分析工程上必要な場所又はエリアが確保されている必要がある。また、試料保管室、調製室、前処理室等については、高濃度用と低濃度用の施設の区別など試料形態や濃度への配慮が必要である。2.「施設」は、排ガス処理装置や排水処理装置が有効に機能するような構造(特に排気に関しては、気密性の確保や室内圧を負圧にする等により、室内の空気が外部に漏れないような構造)であること。なお、計量法施行規則には、有害物質の排出防止性能のある排ガス処理装置や排水処理装置が特定計量証明事業に必要なものとして規定されている。3.施設及び施設内の環境条件については、作業者による適正な業務の実施という観点から、安全面への配慮がなされていること。例えば、有害物質の吸入や皮膚への接触を避けるための処置、廃液や廃棄物の管理、また安全管理規定等を整備し、それに基づく安全管理等が実施されている必要がある。二 施設の保守、施設内の環境条件の 1.「必要な事項」には、機器分析室、維持等計量証明事業を適切に行うため 試料保管室などの環境条件に関する基に必要な事項が社内規格に定められ、 準、管理手順、施設への入出管理、整理それに基づいて保有する施設の管理が 整頓等に関する事項が含まれる。適切に行われているとともに、必要な記録を作成すること。二 装置等 一 計量証明事業を行うに必要な器 1.「計量証明事業を行うに必要な装置具、機械又は装置(以下「装置等」と 等」とは、計量法施行規則別表第4に規いう。)を保有していること。 定されているものをいう。二 次に掲げる事項その他必要な事項 1.「計量証明の結果に重大な影響を及が社内規格に定められ、それに基づい ぼす装置等」としては、GC-MS、天 11/19て装置等の管理が適切に行われている びん、サンプリング装置(ガスメータこと。装置等を共用する場合は、共用 ー、濃度計を含む。)等が該当する。者それぞれが適切に管理を行うこと。 2.「汚染防止」とは、装置等の適正なイ 計量証明の結果に重大な影響を 使用の妨げとなる物質の排除のための処及ぼす装置等の適切な点検、校正 置をいい、「必要な場合」とは、外部か、保守等性能の維持に関する事項 らの汚染又は二次汚染の可能性がある場ロ 必要な場合、汚染防止に関する 合をいう。事項ハ 不適切な装置等の識別及び当該装置等による影響の調査に関する事項ニ 共用又は賃借する装置等の場合は、装置等の使用期間及び使用条件に係る書面による取決めに関する事項三 次に掲げる事項について、記録を 1.「記録」は管理台帳等により作成さ作成すること。装置等を共用する場合 れていること。は、共用者それぞれが必要な記録を作成すること。イ 装置等の品目ロ 製造業者の名称、型式、製造番号その他識別のために必要な事項ハ 装置等の適切性の確認の記録ニ所在場所ホ 校正、調整の日付、その結果及び次回校正の期日ヘ 校正に使用する標準物質の識別のために必要な事項ト 保全管理の履歴チ 装置等の損傷、機能不良、改造又は修理の履歴リ 共用する装置等の使用期間、使用条件及び管理方法四 装置等の校正に使用する計量器又 1.「使用する計量器又は標準物質」には標準物質は、特定標準器による校正 ついて、校正証明書又はこれと同等の書等をされた計量器若しくは標準物質又 面を保管していること。はこれらの計量器若しくは標準物質に 2.「標準物質の特性値が技術的に妥当連鎖して段階的に計量器の校正等をさ な手順を踏んで確定されたものに値付けれたものを使用すること。ただし、特 をされたもの又はそれと同等以上のも定標準物質が存在しない場合は、標準 の」を使用する場合にあっては、標準物 12/19物質の特性値が技術的に妥当な手順を 質の特性値が技術的に妥当な手順を踏ん踏んで確定されたものに値付けをされ で確定されたことを示す根拠資料を保管たもの又はそれと同等以上のものを使 していること。用すること。五 他者に校正を依頼する場合は、適 1.「適切な能力を有する機関」とは、切な能力を有する機関に対し依頼する 計量法に基づく校正事業者認定制度(Jこと。 CSS制度)における認定事業者であるか、又は校正に用いる計量器等が国際的な計量標準へつながっていることを証明できる製造事業者や校正機関などをいう。ただし、上記の事業者等が国内に存在しない場合には、それと同等の能力を証明できる事業者等に依頼すること。三 試薬等 次に掲げる事項その他必要な事項が 1.「試薬」には、標準物質が含まれ社内規格に定められ、それに基づいて る。試薬又は消耗品の管理及び使用が行わ 2.「必要な記録」には、精製、洗浄、れているとともに、必要な記録を作成 その他の調製を行った試薬についての調すること。 製日、調製者及び調製内容等の記録を含イ 試薬又は消耗品の管理及び使用 む。に関する事項 3.「標準液の調製及びその確認に関すロ 標準液の調製及びその確認に関 る事項」とは、標準液の調製手順、濃度する事項 の確認手順、トレーサビリティの確保等に関する事項をいう。四 計量証明 一 計量を行うに適切な方法(以下 1.「適切な方法」とは、原則として公の方法 「計量方法」という。)に基づいて具 定法を指し、日本工業規格による方法や体的作業手順を記載した標準作業手順 国が定めた方法がこれに該当する。書を作成すること。 2.公定法の一部を変更する場合には、妥当性確認(目的適合性の客観的根拠を提供するもの)が行われていること。変更の内容にもよるが、① 標準物質を用いた添加回収試験② 公定法によって得られた結果との比較③ 再現性の確認、等が挙げられる。また不確かさの考慮も行うことが望ましい。3.「標準作業手順書」には、サンプリング、試料の取扱い、輸送、保管、事前準備、測定分析、データ解析の方法及び手順等の項目を含むこと。 13/19二 依頼者が計量方法を指定しない場合は、法第百二十一条の二の認定を受けようとする者(以下「申請者」という。)がこれを選定するとともに、依頼者に通知すること。依頼者が指定した計量方法が不適切な場合もその旨を通知すること。三 計量の実施に当たって、計量を行 1.「不確かさの要因」としては、用いう際に生じる不確かさの要因を特定 た標準物質、方法及び施設、環境条件、し、不確かさが影響を与える程度の考 試験品目の性質及び状態、試験実施者等慮を行うこと。 があるが、これらに限定されない。五 試料の採 一 必要な場合、可能な限り適切な統 1.「採取の計画」には、試料採取者、取 計的方法に基づいて、計量の対象とな 採取日、採取地点、事前調査の有無(有る試料(以下「対象試料」という。) の場合にはその概要)、試料採取器具・の採取の計画を作成すること。 装置、サンプリングスパイクの種類・量、採取操作の概要、試料容器、搬送方法、トラベルブランク試験及び二重測定の実施等について記載すること。2.通常の場合、試料採取は資材や機材の手配、担当者の選定、事前調査等様々な準備を行った後に実施されるものであることから、原則として計画を作成すること。3.通常、試料採取を実施しない事業者であっても、計画の作成及び実施に関する手順等が規定されているか又は計画書の様式等が規定されていること。二 標準作業手順書及び前号の採取の 1.「トラベルブランク試験」について計画に基づいて適切に次に掲げる作業 は、測定の対象により公定法に規定されを行い、かつ、必要な記録を作成する ていない場合がある。その場合には要求こと。 事項とはしない。イ 対象試料の採取ロ トラベルブランク試験のための作業ハ 二重測定のための試料の採取六 試料の管 試料の受領、取扱い、保管及び識別 1.「試料の受領」とは、事業所におけ理 に関する事項その他必要な事項が社内 る「受入検査」を指し、試料としての適規格に定められ、それに基づいて適切 性に疑いがある場合に採るべき手順につに試料の管理を行い、かつ、必要な記 いても規定すること。録を作成すること。 必要な記録としては、搬入日、検査 14/19日、実施者、搬入手段(宅配便等)、試料容器の種類及び大きさ、試料の性状、受入れ検査の結果等が挙げられる。2.「試料の取扱い」には、試料の調製(風乾、ふるいがけ等)を含む。試料形態に応じて実施する手順を定め、記録を作成すること。3.「保管」は、適切な置き場所を定め、試料の変質を防止するとともに安全に保管するものであること。試料の保管の方針は、試料形態、試験依頼者が再試験を依頼する可能性のある期間によって異なる。4.「識別」は、計量の期間(サンプリングから試料の保管期間終了まで)を通して維持され、試料の物理的な混同、及び記録やその他の文書で引用する際の混同が起こらないものであること。5.「その他必要な事項」として、試料の輸送、保管期間終了後の試料の処分等の方法が該当する。七 試料の前 一 必要な場合、対象試料の前処理の 1.「前処理の計画」には、試料の受処理 計画を作成すること。 領、取扱い、試料からの抽出、抽出液のクリーンアップ、ガスクロマトグラフ質量分析計による測定用試料の調製等の項目が含まれる。事業として多くの試料を処理する場合には、計画の立案が必要である。二 標準作業手順書及び前号の前処理 1.「必要な記録」とは、作業者、作業の計画に基づいて対象試料からの抽出 日、作業内容等データの遡及や精度管理操作を適切に行うとともに、当該操作 上必要なものをいう。に伴う必要な記録を作成すること。また、同時期に処理を行った試料の一覧を作成すること。三 抽出操作が行われた対象試料に対 1.「必要な記録」とは、作業者、作業し、標準作業手順書及び第一号の前処 日、作業内容等データの遡及や精度管理理の計画に基づいてクリーンアップ操 上必要なものをいう。作を適切に行うとともに、当該操作に伴う必要な記録を作成すること。また、同時期に処理を行った試料の一覧 15/19を作成すること。四 次に掲げる試料(以下「試験用試 1.「必要な記録」とは、作業者、作業料」という。)の調製について、標準 日、作業内容等データの遡及や精度管理作業手順書に基づいて必要な操作を行 上必要なものをいう。い、かつ、必要な記録を作成すること。イ 操作ブランク試験に使用する試料ロ トラベルブランク試験に使用する試料ハ 二重測定に使用する試料八 ガスクロ 一 必要な場合、クリーンアップされ 1.測定の計画には、GC-MSの調マトグラ た試料(以下「測定用試料」という 整、検量線の作成、試料の測定、検量線フ質量分 。)の測定の計画を作成すること。 の確認及び感度変動の確認、同定及び定析計によ 量等の項目が含まれる。多くの試料を処る測定 理する場合には、計画の立案が必要である。二 標準作業手順書及び前号の測定の 1.「必要な記録」とは、作業者、作業計画に基づいて適切に次に掲げる作業 日、作業内容等データの遡及や精度管理を行い、かつ、必要な記録を作成する 上必要なものをいう。こと。イ ガスクロマトグラフ質量分析計の調整及び適切な測定が可能であることの確認に関する事項ロ 検量線の作成に関する事項ハ 検量線作成用標準液、測定用試料及び試験用試料のガスクロマトグラフ質量分析計による測定に関する事項ニ 検量線の確認及び感度変動の確認に関する事項ホ ニの確認により得られた結果が計量方法に定められた条件に合致しない場合の対処に関する事項ヘ ハの測定用試料及び試験用試料の測定により得られた結果による測定対象物質の検出(以下「同定」という。)に関する事項ト 同定された測定対象物質の量の確定(以下「定量」という。)に 16/19関する事項九 定量結果 標準作業手順書に基づいて適切に次 1.検出下限及び定量下限に関し、算出の確認 に掲げる作業を行い、かつ、必要な記 の過程が確認できる資料を記録として作録を作成すること。 成していること。イ ガスクロマトグラフ質量分析計 2.イからトまでの各項目について確認、測定方法又は試料測定時の検出 の結果、公定法に規定された基準に合致下限及び定量下限の算出並びにそ しない場合について、対処方法が文書化の確認に関する事項 されており、それに基づいて実施されてロ クリーンアップスパイク及びサ いること。ンプリングスパイクの回収率の確認に関する事項ハ ロの回収率が計量方法に規定された範囲外の場合の対処に関する事項ニ 操作ブランク試験の結果の確認に関する事項ホ トラベルブランク試験の結果の確認に関する事項ヘ 二重測定の結果の確認に関する事項ト 異常値及び欠測値の原因等の検討に関する事項3)認定基準第3項関係事 項 基 準 運用・解釈一 受注 一 見積、契約内容の確認その他必要 1.「見積、契約内容の確認」とは、次な事項が社内規格に定められていると の事項について確認することをいう。ともに、それに基づいて適切に契約行 ア 使用すべき計量の方法を含め、依為が行われ、かつ、必要な記録を作成 頼者の要求事項が十分に確定され、すること。 文書化され、理解されていること。イ 事業所が、要求事項を満たす業務能力及び経営資源をもつこと。ウ 適切な計量の方法が選定され、依頼者の要求事項を満たすことができること。2.確認は、事業所が外注する業務を含めること。二 契約を変更した場合は、再度、その内容について確認を行い、関連する記録を保存し、関係職員に周知するこ 17/19と。三 契約から逸脱した場合は、依頼者に通知し、了承を得ること。二 物品等の 次に掲げる事項その他必要な事項が 1.「サービス」には、装置等の保守・購入 社内規格に定められ、それに基づいて 校正サービス、試料の輸送サービス等の計量証明事業に使用する装置等、試薬 役務の提供を含む。その他の物品及びサービス(以下「物 2.「その他必要な事項」とは、購入さ品等」という。)の購買が適切に行わ れた物品等の受入れ、保管等に関する事れていること。 項をいう。イ 物品等の適合性確認及びその記 3.「物品等の適合性の確認」とは、計録の作成に関する事項 量証明の品質に影響する物品等についてロ 物品等の発注先の評価及びその 使用前に要求仕様等に適合することの検記録の作成に関する事項 査若しくは別の方法による検証をいう。なお、記録には、注文書、仕様書、購入伝票、受入れ検査等の記録が含まれ、仕様書に技術的内容が含まれる場合には、その確認と承認が行われること。4.「物品等の発注先の評価」とは、計量証明に影響する物品等の供給者についての評価をいう。なお、記録には、評価に関する記録、承認された供給者の名称を含む。三 外注 一 工程の一部を外部の者に行わせる 1.「工程」とは、計量証明の事業の工場合(以下「外注」という。)にあっ 程をいい、計量証明の事業の工程の一部ては、次に掲げる事項その他必要な事 とは、試料の採取から定量結果の確認ま項が社内規格に定められ、それに基づ での工程の一部又は全てをいう。いて外注が適切に行われていること。 2.「その他必要な事項」には、例えばイ 第一項の表第八の項の下欄に掲 外注する場合の条件(どのような時に外げる基準に適合する監査による外 注を行うか等)、外注先の能力評価にお注先の適合性の確認及びその根拠 ける基準等が該当する。に関する記録の作成に関する事項ロ 外注先との情報伝達及び結果の報告の方法に関する事項ハ 外注を行った業務についての結果の確認及び評価並びに当該事項に関する記録の作成に関する事項ニ 原則として外注者の業務結果について責任を有すること。二 外注は、依頼者の了承を得た上 「当該工程について、この基準に適合で、申請者が適切に管理できる範囲内 する」とは、外注を行う工程に該当する 18/19において、当該工程について、この基 認定基準に適合することをいう。したが準に適合する能力を有する者に行わせ って、認定基準の第2項の「技術的能ること。 力」に関する基準のみならず、第1項の「管理組織」及び第3項の「業務の実施の方法」に関する基準についても、精度管理上必要な程度まで適合する必要がある。三 外注に当たっては、次に掲げる事項について外注先と合意していること。イ この基準を遵守し、申請者が指定又は承認した計量の方法により業務を行うこと。ロ 認定機関等の要請がある場合は、書面調査若しくは現地調査への協力又は技能試験への参加を行うこと。ハ 外注が一年以上に及ぶ場合は、年一回以上の頻度での適合性の確認を行うこと。四 計量結果 一 計量結果を証明する書類の発行に 1.「社内規格」には、証明書の発行、の証明 ついての社内規格が定められ、それに 再発行、発行後の修正、写しの保管、標基づいて発行が行われていること。 章の使用、証明書の原本の保管、計量証明書の様式等に関する事項を規定すること。二 計量結果を証明する書類は、原則 2.「計量証明書」には、次の事項を記として計量証明書として発行するこ 載すること。と。 ア 計量証明書である旨の表記イ 計量証明書の発行番号及び発行年月日ウ 計量証明書を発行した認定特定計量証明事業者の氏名又は名称及び住所エ 計量証明を行った事業所の名称、所在地及び認定番号オ 計量証明書に係る計量管理を行った者の氏名カ 計量の対象キ 計量の方法ク 計量証明の結果 19/19ケ 計量証明の事業の工程の一部を外部の者に行わせた場合にあっては、当該工程の内容、当該工程を実施した事業者の氏名又は名称及び事業所の所在地3.該当する場合又は必要な場合は次の事項を記載すること。ア 計量証明書が複数頁に亘る場合にあっては、各頁に総頁のうち何頁目に該当するかを示し、証明書の1部分であることを確実にする識別イ 使用した計量の方法の版数又は制定年等の識別ウ 計量を実施した日付け又は期間エ 持ち込まれた試料にあっては、試料採取に関し自社が関知していない旨(または持ち込まれた試料である旨)の記載。なお、自社が関知しない旨とは、自社が試料採取を行っていないことをいい、計量証明書に関する責任は当該証明書発行者が負うことになる。オ 試料採取の実施の日時、試料採取場所(必要な場合には、図面、スケッチ、又は写真)、必要な場合には、試料採取時の環境条件。カ 使用した計量の方法に基づく定量下限値、検出下限値等の計量結果に関連する情報三 発行後の修正を要する場合(軽微 1.「軽微なもの」とは、誤字、脱字等なものを除く。)は、発行された証明 であって計量証明結果に直接関連しない書の誤用防止措置を講ずるとともに、 記載事項の修正をいう。再発行を行うこと。 2.「誤用防止措置」とは、発行された証明書の回収等をいう。